【割安放置の化学株】堺化学工業(4078)長期投資の可能性と懸念点
【割安放置の化学株】堺化学工業(4078)長期投資の可能性と懸念点
この記事でわかること
- 堺化学の最新業績と財務指標
- 中期経営計画の重点施策と進捗
- PBRが0.5倍と低迷する背景
- 長期投資としての評価軸
【1】企業概要と株価水準
堺化学工業は、酸化チタン、電子材料、医療向け造影剤などを手がける中堅化学メーカーで、医薬・エレクトロニクス・工業材料に広く関与しています。電子材料や酸化チタンなどの高付加価値品を強化しながら、中長期での資本効率改善を目指す構造改革を進めています。
【2】長期業績推移と進捗
【3】セグメント構成(2025年3月期)
売上構成
セグメント利益
【4】中期経営計画と進捗
- 2030年に向け、電子材料・ライフサイエンスの比率拡大を推進
- 生産性向上・資産効率改善を重視し、ROE8%以上を目標
- 2025年度時点でROEは6.6%、一部改革が進展
【5】外部環境の影響とリスク
- 為替リスク:海外売上比率約18.5%。円高で採算悪化リスクあり
- 原料価格:酸化チタンは原料価格や需給バランスの影響大
- 景気敏感:エレクトロニクス・自動車向け需要変動の影響を受けやすい
【6】PBR低迷の背景と懸念点
- ROEが低位安定(5〜6%台):資本効率が低くPBRを押し下げ
- 高収益事業の成長性に不透明感
- 政策保有株の整理進まず:PBR改善の遅れ要因
【7】配当・株主還元
- 配当性向: 43.7%
- 実績配当利回り: 5.11%
- 総還元性向: 93.5%(自社株買い含む)
- 現金等: 161億円と潤沢な手元資金
【8】まとめと投資判断
- PBR0.55倍・配当利回り5%超でバリュー妙味あり
- ROE改善と非中核資産の整理進展が鍵
- 安定配当・自己資本厚めで下値限定的な銘柄
▶ 投資アドバイス:
堺化学工業は、高配当・割安バリュー株として中長期保有に向いています。株主還元姿勢も強く、ROE改善と事業ポートフォリオ改革が進めば、株価再評価の可能性があります。
【ご注意事項】
本記事は特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。
株式投資は元本保証がなく、株価の変動等により損失が生じるリスクがあります。
投資判断は必ずご自身の責任において行ってください。
また、記載内容は作成時点の情報に基づいており、将来を保証するものではありません。
最新の情報や詳細は、各企業の公式IR資料などをご確認ください。