オカムラ(7994)2025年決算と成長戦略徹底分析|物流・オフィスの安定成長株を解説
はじめに:空間ソリューション総合メーカー
オカムラ(7994)はオフィス家具、物流システム、商環境設備を主軸に幅広い空間づくりを支える総合メーカーです。働き方改革、物流自動化、省人化ニーズを追い風に安定成長を継続。中計も上方修正され、今後の成長期待が高まっています。
事業構成と特徴
- オフィス環境事業:オフィス家具、会議室設備、テレキューブ
- 物流システム事業:自動倉庫、ピッキング・搬送システム
- 商環境事業:スーパー、ドラッグストア、病院等の省力化什器
- 技術優位性:空間提案力、納入施工力、納期短縮ノウハウ
- 海外展開:シンガポールDB&B社、北米市場進出
長期投資妙味の注目ポイント
- 働き方改革・人材確保を背景にオフィス環境投資が拡大
- 物流自動化ニーズの拡大で物流システムが成長ドライバー化
- 省人・省力化需要拡大する商環境設備も堅調
- 自己資本比率64%、安定配当(利回り4.7%)の高財務健全性
- PBR 1.12倍・PER 9.1倍の依然割安感
2025年3月期 決算短信(最新実績)
項目 | 実績 | 前年比 |
---|---|---|
売上高 | 3,145億円 | +5.4% |
営業利益 | 239.4億円 | △0.4% |
純利益 | 220.4億円 | +8.7% |
営業利益率 | 7.6% | ▲0.4pt |
ROE | 12.3% | +0.8pt |
実績の要点
- 物流システムが大型案件寄与で大幅増収
- オフィス・商環境も底堅く推移
- 原価上昇も価格転嫁進展で増益達成
- 決算説明でキャッシュフロー減少は決済サイト短縮などが要因
2026年3月期 業績予想(短信ベース)
項目 | 予想 | 前年比 |
---|---|---|
売上高 | 3,300億円 | +4.9% |
営業利益 | 270億円 | +12.8% |
純利益 | 228億円 | +3.4% |
営業利益率 | 8.2% | +0.6pt |
予想の背景
- 物流システム部門の好調持続
- オフィス・商環境も安定的に推移
- コスト吸収力向上・採算改善継続
中期経営計画(修正版)
- 計画期間:2026年3月期まで
- 売上目標:3,250億円 → 達成可能圏内
- 営業利益目標:270億円(今回短信予想と一致)
- 物流システム・医療福祉・新規サービスが成長領域
- 戦略投資枠:500億円規模を積極投入中
海外展開と為替影響
- 海外売上比率:10%未満(シンガポールDB&B、北米進出)
- 為替感応度は限定的(国内売上が主体)
- 今後は海外比率拡大の余地あり
財務状況と株主還元
- 自己資本比率:64.0%
- 現金等:254億円
- ネットD/Eレシオ:5.2%
- 配当:2025年期 94円 → 2026年期 104円(配当性向43.2%)
- DOE:3.3%下限を維持し安定配当方針
今後の注目材料
- 物流システムの大型受注進捗
- オフィス投資の更新需要拡大
- 省人省力型商環境設備の普及度
- 500億円成長投資枠の活用成果
- 人材育成・技術開発の進捗
まとめ
オカムラは国内安定型の優良成長企業として高い投資妙味を持つ銘柄です。物流システム・オフィスリニューアル・商環境と安定成長領域が明確で、財務安全性・配当政策も魅力。中計達成可能性が高まるなか、長期保有に適したバランス型成長株と位置付けられます。
【ご注意事項】
本記事は特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。
株式投資は元本保証がなく、株価の変動等により損失が生じるリスクがあります。
投資判断は必ずご自身の責任において行ってください。
また、記載内容は作成時点の情報に基づいており、将来を保証するものではありません。
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