日清製粉グループに長期投資するなら知っておきたい『財務健全性と安定成長の両立』
日清製粉グループ(2002 東証プライム)は、製粉・食品・中食事業を中心とした食料品企業です。 長期投資家にとって注目すべきは、財務健全性と安定的な利益成長、そして還元姿勢の強さです。
業績と成長性
- 2026年3月期予想:売上高8,700億円(+2.2%)、営業利益500億円(+7.8%)
- 当期純利益:390億円(+12.4%)と増益基調
- セグメント構成:製粉52.5%、食品23.6%、中食18.2%
- 研究開発や海外展開による成長の持続力を評価
還元方針と配当水準
- 予想配当利回り:3.48%(2026年3月期配当予想60円)
- 純利益に対する配当性向:約47%とバランスのとれた還元水準
- 自己株取得も積極的に実施(7.7百万株を139億円で取得)
財務健全性
- 自己資本比率:61.4%(健全)
- ネットD/Eレシオ:-1.9%(実質無借金)
- 営業CF:552億円、投資CF:▲350億円 → フリーCF黒字
のれん償却と利益の関係
日清製粉グループは日本基準を採用しており、買収時の「のれん」償却を営業利益に計上しています。
2025年度ののれん等償却額は約28億円。営業利益に対する割合は約5.6%。
のれんの償却期間は概ね5年〜20年が一般的で、過去の買収規模に応じた償却が今後も継続しますが、新規買収がなければ徐々に減少する傾向です。
2025年度ののれん等償却額は約28億円。営業利益に対する割合は約5.6%。
のれんの償却期間は概ね5年〜20年が一般的で、過去の買収規模に応じた償却が今後も継続しますが、新規買収がなければ徐々に減少する傾向です。
中期経営計画2026の目標
- 最終年度(2026年度)に向け、営業利益率5.7%、ROE 7.9%を計画
- 海外営業利益比率39%へと拡大(特に豪州・米国・アジア)
- 研究開発施設「みらい共創キッチン」2026年竣工予定
中計KPIと現在数値の比較
KPI項目 | 現在(2025年3月期) | 中期計画目標(2026年度) |
---|---|---|
売上高 | 8,514億円 | 8,700億円 |
営業利益 | 464億円 | 500億円 |
営業利益率 | 5.4% | 5.7% |
ROE | 7.0% | 7.9% |
海外売上高比率 | 31.3% | 非開示(推定35%以上) |
配当性向 | 約47% | 安定還元維持方針 |
価格改定とマクロ要因
- 2025年7月~:家庭用パスタなど最大+17%の価格改定(コスト高対応)
- 2025年8月~:業務用小麦粉平均0.6%の価格引き下げ(政府売渡価格の影響)
家庭用製品は値上げ・業務用は値下げの理由
業務用小麦粉価格は政府が輸入小麦の売渡価格を調整する制度の影響を強く受けるため、為替や国際相場を反映して下落します。
一方、家庭用パスタ等は包装資材や物流コスト、人件費上昇の影響が大きく、最終製品単価としての価格改定が必要となっています。
業務用小麦粉価格は政府が輸入小麦の売渡価格を調整する制度の影響を強く受けるため、為替や国際相場を反映して下落します。
一方、家庭用パスタ等は包装資材や物流コスト、人件費上昇の影響が大きく、最終製品単価としての価格改定が必要となっています。
まとめ:長期投資に向く理由
- ディフェンシブ銘柄として安定したキャッシュ創出
- インフレ対応力と海外展開を進める堅実経営
- 実質無借金かつ総還元利回り5%超の還元姿勢
- 今後は食品事業のブランド強化と高付加価値製品の拡大に注目
【ご注意事項】
本記事は特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。
株式投資は元本保証がなく、株価の変動等により損失が生じるリスクがあります。
投資判断は必ずご自身の責任において行ってください。
また、記載内容は作成時点の情報に基づいており、将来を保証するものではありません。
最新の情報や詳細は、各企業の公式IR資料などをご確認ください。