【長期投資向け】三菱ガス化学(4182)─ 割安高配当・化学成長株の注目銘柄
三菱ガス化学(4182|株探)は、配当利回り4%超、PBR0.65倍という割安な水準が続いており、長期保有向けの銘柄として注目されています。 加えて、半導体・再生可能エネルギーといった成長分野への投資も進んでおり、今後の中長期的な企業価値向上が期待されています。
📅 2025年5月9日時点の株価とテクニカル指標
- 終値:2,226.5円(前日比 +33.5円 / +1.53%)
- PER(予想):9.0倍
- PBR(実績):0.65倍
- 配当利回り(予想):4.27%
- 株主還元方針:累進配当+還元性向引き上げを掲げる
- 信用倍率:25.09倍(買い残が多く過熱気味)制度信用倍率は17倍
📉 トレンドと移動平均乖離率
- 目先(〜1週間):上昇
- 短期(〜1カ月):下降
- 中期(〜3カ月):下降
- 長期(〜6カ月〜):下降
移動平均線との乖離率(5月9日)
5日線:+1.01%、25日線:+3.35%、
75日線:-7.03%、200日線:-14.74%
→ 短期的には反発の兆しが見られるものの、中・長期トレンドは明確な下降基調にあるため、急騰には注意が必要です。
📈 成長ドライバーは「ICT3事業」
三菱ガス化学は、今後の成長戦略として「電子材料・EL薬品・光学材料」のICT3事業を中心に据えています。これらはスマートフォン、車載カメラ、AI向けサーバーなどに使用されており、将来的な需要の拡大が見込まれています。
💡 リスクと投資スタンス
一方で、半導体市況や原材料価格の変動などには注意が必要です。信用倍率が25倍と高いため、短期的な過熱感には要注意ですが、あくまで「中長期的な成長+配当狙い」であれば、押し目を活かした分割購入が有効です。
【長期投資分析】三菱ガス化学(4182)2025年3月期第3四半期決算を読み解く
※注記:本記事は2025年5月9日時点の情報に基づいています。
最新の決算発表(2025年5月12日)における内容もあわせて確認することをおすすめします。
📊 2025年3月期 第3四半期 業績ハイライト
- 売上高:5,831億円(前年同期比 -6.2%)
- 営業利益:452億円(+17.2%)
- 経常利益:538億円(+24.1%)
- 純利益:356億円(-11.1% ※一過性利益剥落)
- EPS:178.18円 / ROE予想:7.3%
📋 セグメント別 売上高・利益(2025年3月期 第3四半期時点)
セグメント | 売上高(億円) | 営業利益(億円) | 経常利益(億円) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2024年 | 2025年 | 増減率 | 2024年 | 2025年 | 増減率 | 2024年 | 2025年 | 増減率 | |
グリーン・エネルギー&ケミカル | 3,249 | 2,444 | ▲24.8% | 164 | 129 | ▲21.4% | 165 | 183 | +11.4% |
機能化学品 | 3,029 | 3,363 | +11.0% | 249 | 351 | +40.9% | 293 | 384 | +31.3% |
その他・調整 | ▲61 | ▲98 | - | ▲27 | ▲28 | - | ▲25 | ▲29 | - |
合計 | 6,217 | 5,831 | ▲6.2% | 386 | 452 | +17.2% | 434 | 538 | +24.1% |
※単位:億円。売上には内部振替や調整額を含みます。「-」は比較不適当を示します。
📌 セグメント別の注目点
🔹 GEC(グリーン・エネルギー&ケミカル)
JSPの連結除外や中国向けの誘導品低迷により、売上・利益ともに前年割れ。
🔹 機能化学品
スマホカメラ・AI向け材料(OPE®)・脱酸素剤などが好調で、営業利益は+40%以上の増益。
📋 営業外収益の内訳(2025年3月期 第3四半期・単位:百万円)
項目 | 金額(百万円) | 前年比 | コメント |
---|---|---|---|
持分法利益 | 7,322 | +5,895 | メタノール合弁やJSPが貢献 |
受取配当金 | 2,883 | ▲241 | 安定収益(投資有価証券) |
為替差益 | 261 | ▲2,138 | 前年の一時的な為替益の反動減 |
その他 | 約2,700 | – | 利息、雑収益など含む |
※持分法利益が経常利益の大幅な増加に寄与しており、為替差益は前年の高水準から大きく反落しています。
補足解説:今回の持分法利益の増加は、主にメタノール市況の改善による海外合弁会社の収益増と、JSPが連結から外れたことで「持分法適用会社」となった影響です。特にメタノール事業は価格上昇と円安のダブル効果があり、経常利益を大きく押し上げました。
💰 財務と株主還元
- 自己資本比率:59.7%
- 配当予想:年95円(配当利回り 約4.2%)
- 自己株式取得:約150億円分を実施済
🧠 投資判断まとめ
- 評価:バリュー(PBR0.65倍)+高配当(4.2%超)+成長性(ICT3事業)の3拍子が揃った銘柄
- おすすめ:長期保有目的のインカム・バリュー投資に適しており、押し目拾いを検討したい水準
- リスク:GEC部門の収益不振、為替変動や市況依存性の高い事業構造には注意が必要
- 想定投資家像:安定配当を狙う個人投資家や、割安な資産株を中長期で保有したい方、半導体・再エネ関連分野に関心のある成長志向の投資家
▶ 詳細な株価情報は 三菱ガス化学(4182)|株探 をご覧ください。
【ご注意事項】
本記事は特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。
株式投資は元本保証がなく、株価の変動等により損失が生じるリスクがあります。
投資判断は必ずご自身の責任において行ってください。
また、記載内容は作成時点の情報に基づいており、将来を保証するものではありません。
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