【割安放置?】マニー(7730)長期投資の魅力と懸念
この記事でわかること
- 最新の業績と株価水準
- 為替の影響と上方修正余地
- 成長戦略と中計KPIの進捗
- 配当利回りや株主還元の実態
- 長期投資におけるメリット・リスク
企業概要と株価水準
項目 | 内容 |
---|---|
銘柄名 | マニー(7730) |
市場 | 東証プライム |
業種 | 精密機器(医療機器) |
株価(2025年6月21日時点) | 1,200円 |
予想PER | 18.6倍 |
PBR | 2.21倍 |
予想配当利回り | 3.25% |
自己資本比率 | 91.5% |
海外売上高比率 | 85.3% |
マニーは眼科・歯科・外科向けの高精度医療機器を提供し、世界トップシェア製品も保有する高収益企業です。財務の健全性も高く、長期投資対象として注目されていますが、2024年以降は中国リスクと円高の影響で株価が調整局面にあります。
業績推移と長期成長性
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 | EPS | 配当金 |
---|---|---|---|---|---|---|
2021.08 | 17,190 | 5,348 | 5,679 | 4,291 | 43.6円 | 23円 |
2022.08 | 20,416 | 6,163 | 7,544 | 5,290 | 53.8円 | 30円 |
2023.08 | 24,488 | 7,243 | 7,995 | 5,953 | 60.5円 | 35円 |
2024.08 | 28,513 | 8,392 | 8,464 | 6,286 | 63.8円 | 39円 |
2025.08(予) | 30,200 | 8,900 | 8,850 | 6,350 | 64.5円 | 39円 |
営業利益率は30%と高水準を維持し、海外工場の効率化や製品の高付加価値化により安定した成長を遂げています。
為替前提と感応度の考察
- 2025年度の想定為替:1ドル=136円(前年150.8円から円高)
- 為替感応度:1円の円安で+1.1億円の経常利益押し上げ
- 現在の実勢為替(6/21):1ドル=146円 → +11億円の増益要素
- 通期経常利益予想88.5億円 → 実質100億円に肉薄
足元の為替水準が続けば、上方修正の可能性は十分にあり、中期経営計画目標(経常利益100億円)達成が現実味を帯びます。
財務・キャッシュフロー
- 自己資本比率:91.5%
- 営業キャッシュフロー:78億円
- 投資キャッシュフロー:▲66億円
- 財務キャッシュフロー:▲37億円
- ネットD/Eレシオ:▲41.2%(実質無借金)
配当・株主還元
- 予想年間配当:39円(利回り3.25%)
- 配当性向:61.1%
- 総還元性向:61.1%
- 自社株買い:現状なし
懸念点とリスク
- 中国におけるダイヤバーの薬事承認遅延・自主回収
- 円高進行による業績圧迫
- スマートファクトリー立ち上げの進捗遅延リスク
2025 年 8 月期 第 2 四半期決算説明会 質疑応答の重要ポイントまとめ
- 自主回収の影響:売上影響は10~15億円と試算。上期で約8億円のマイナス影響。
- シェア回復:ダイヤバー製品のシェア回復には3~5年かかる見通し。
- 再申請の進捗:すでに再申請済み。承認まで9ヶ月~1年の見込み。
- 関税リスク:米国向け出荷に対し、ベトナムからの輸出は最大46%の関税リスクあり。
- 代替案の難しさ:品質の差から他社製品での代替が難しく、顧客流出のリスクがある。
- JIZAI投入:2026年上期に投入予定。自主回収の影響をカバーする戦略製品。
- サージカル製品展開:米国現地法人と販売代理店体制を強化中。北米市場への再成長を狙う。
- 品質保証対策:内部原因調査中。品質保証体制の見直しと改善を進行。
- 関税回避策:顧客の工場立地や流通経路の工夫で一部リスク回避可能性あり。
まとめと投資判断
- 高利益率・財務健全で安定成長中
- 円安進行で業績上振れ期待
- 中国リスクなどセグメント個別の懸念は要注視
一言アドバイス:
「為替追い風×高利益体質」を武器に、ポートフォリオの長期成長軸として注目。通期上方修正のタイミングに着目を。
【ご注意事項】
本記事は特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。
株式投資は元本保証がなく、株価の変動等により損失が生じるリスクがあります。
投資判断は必ずご自身の責任において行ってください。
また、記載内容は作成時点の情報に基づいており、将来を保証するものではありません。
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