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ダイダン(1980)2025年決算と長期成長戦略を徹底解説|設備工事大手のインフラ成長株を分析

ダイダン(1980)2025年決算と長期成長戦略を徹底解説|設備工事成長株の統合完全版

ダイダン(1980)2025年決算と長期成長戦略を徹底解説|設備工事成長株の統合完全版

はじめに:設備工事の黒子型成長企業

ダイダン(1980)は空調・衛生・電気設備工事を手掛ける総合設備工事会社です。データセンター、半導体、医療、EV工場など成長分野の設備投資を取り込み、施工品質・技術力を武器に収益力を急速に高めています。

事業概要

  • 主要分野:空調・衛生・電気設備新設およびリニューアル工事
  • 主な顧客:ゼネコン、半導体・EV・医療施設、大型オフィスビルなど
  • 競争優位:高付加価値工事、施工実績、BIM活用、施工力
  • 海外展開:シンガポール、タイ、ベトナム、台湾(Presico社子会社化)

長期投資家の注目ポイント

  • 半導体・データセンター・EV関連の旺盛な設備投資需要
  • リニューアル工事比率が39.5%まで上昇、収益安定化
  • 高採算案件増加で営業利益率8.8%、ROE17.4%達成
  • 高財務安全性(現金等505億円・無借金経営)
  • PBR 1.68倍・PER 10倍台の依然割安圏

2025年3月期 決算実績

項目実績前年比
売上高2,627億円+33.1%
営業利益230億円+111.8%
純利益174億円+92.0%
営業利益率8.8%+3.3pt
ROE17.4%+7.1pt

実績のポイント

  • 産業施設(半導体、EV、データセンター)工事が急伸
  • 採算性の高い案件増加で利益率大幅改善
  • 施工能力を上回る受注環境が続く

2026年3月期 業績予想

項目予想前年比
売上高2,600億円△1.0%
営業利益235億円+2.0%
純利益176億円+0.9%
営業利益率9.0%+0.2pt

今期予想の背景

  • 施工能力上限が売上抑制要因(工事繁忙期継続)
  • 採算性は高水準継続
  • 人的資本投資・DX投資は引き続き積極化

中期経営計画(修正後)

  • 期間:2027年3月期まで(Stage2030 Phase2)
  • 売上高目標:2,700億円(当初比100億円上方修正)
  • 営業利益目標:240億円(当初比80億円上方修正)
  • ROE目標:12%以上(現状既に17.4%実現済)
  • 重点施策:施工能力拡充・DX活用・人材育成・働き方改革

海外展開と為替影響

  • 海外受注比率:直近約14%
  • 現地通貨建契約が主体で為替感応度は限定的
  • 今後10〜15%程度の比率を維持方針
  • Presico社の成長で海外寄与は緩やかに拡大中

財務状況と株主還元

  • 自己資本比率:49.7%
  • 現金等:505億円
  • ネットD/Eレシオ:▲26.3%
  • 配当性向:40.1%(2026年3月期配当165円予定)
  • DOE:4.8%を下限とする安定配当策

今後の注目材料

  • 産業設備工事の旺盛な受注環境(半導体・EV・データセンター)
  • 施工余力拡充と人材確保の進捗
  • 建設物価・人件費高騰の吸収力
  • 海外事業の収益貢献度
  • DX・プレファブ施工など生産性改革

まとめ

ダイダンは高採算工事の拡大で収益力を急速に高めつつ、施工能力の強化・DX推進・人的資本投資に積極投資しています。建設セクターでも安定かつ高成長が可能な優良企業として、長期投資対象として高い妙味を備えています。

【ご注意事項】

本記事は特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。
株式投資は元本保証がなく、株価の変動等により損失が生じるリスクがあります。
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