【2025年版】村上開明堂(7292)投資分析レポート
はじめに:自動車部品の黒子型安定成長企業
村上開明堂(7292)は、自動車用ドアミラーを中心に、HUD(ヘッドアップディスプレイ)、ADAS関連部品などを手掛ける中堅部品メーカーです。完成車メーカーのグローバル展開とともに成長し、電動化・自動運転社会でも安定した存在感を発揮しています。
事業概要と特徴
- 主要製品:ドアミラー、HUD、車載カメラ周辺部品、樹脂成形品
- 主な顧客:日系完成車メーカー(北米・中国・東南アジアでの現地生産比率高い)
- 海外売上比率:約52.8%
- 技術優位:ミラー機構技術、HUD光学設計、成形加工ノウハウ
投資妙味ポイント
- 電動化・ADAS対応部品で中長期成長期待
- 北米・メキシコ生産拠点拡充で現地対応力強化
- 高財務健全性 × 無借金経営 × 安定配当
- PBR 0.79倍・PER 12.1倍の割安水準
2025年3月期(実績)
項目 | 実績 | 前年比 |
---|---|---|
売上高 | 1,092億円 | +4.4% |
営業利益 | 88.6億円 | +6.3% |
純利益 | 59.4億円 | +1.0% |
営業利益率 | 8.1% | +0.1pt |
増益の要因
- 北米・メキシコ・アジアで販売数量増加
- 生産効率改善
- 円安による為替換算利益
2026年3月期(予想)
項目 | 予想 | 前年比 |
---|---|---|
売上高 | 1,060億円 | △2.9% |
営業利益 | 80億円 | △9.7% |
純利益 | 58億円 | △2.4% |
営業利益率 | 7.5% | △0.6pt |
減益予想の理由
- 北米・メキシコの生産設備増強に伴うコスト先行負担
- 物流費・樹脂材料などのコスト上昇
- 新規車種立ち上げ費用
- 為替想定:1ドル=143円(保守的見積)
財務状況と株主還元
- 自己資本比率:77.0%
- ネットD/E:▲53.3%
- 現金等:451億円
- 配当:年間210円(配当性向40.9%)
- ROE:6.9%
今後の注目ポイント
- ADAS・HUD関連部品の新規採用拡大
- 生産拠点の効率化による利益率改善
- 北米自動車市場動向と為替変動
- 長期的な電動化・自動運転シフトへの適応
為替感応度
- 正式な感応度開示なし
- 海外売上比率52.8% → 米ドル・メキシコペソ・人民元など影響
- 現地通貨売上・現地生産の組合せにより一部為替ヘッジ効果あり
- 実務推定:1円変動あたり営業利益で数千万円〜1億円程度影響
まとめ
村上開明堂は、電動化・ADAS普及を追い風に安定成長が期待される自動車部品メーカーです。足元では先行投資負担により一時的減益予想となっていますが、高財務安全性と安定配当を維持。中長期では成長ドライバーを有し、長期保有にも適した銘柄と位置付けられます。
【ご注意事項】
本記事は特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。
株式投資は元本保証がなく、株価の変動等により損失が生じるリスクがあります。
投資判断は必ずご自身の責任において行ってください。
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