【高配当×インフラ需要】世紀東急工業(1898)長期投資の魅力と懸念点
この記事でわかること
- 世紀東急工業の最新業績と株価水準
- 成長戦略と中期経営計画の進捗
- 配当利回りや株主還元の実態
- 長期投資におけるメリットとリスク
【1】企業概要と株価水準
項目 | 内容 |
---|---|
銘柄名 | 世紀東急工業 |
証券コード | 1898 |
市場 | 東証プライム |
株価(2025年6月13日) | 1,462円 |
予想PER | 13.7倍 |
PBR | 1.28倍 |
予想配当利回り | 4.79% |
自己資本比率 | 50.5% |
舗装工事を中心にインフラ整備を担う中堅建設会社。グループ親会社は東急(9005)で、安定基盤を持ちつつ地方自治体からの受注比率も高い。
【2】業績の推移
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 当期利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|
2022年3月期 | 81,746百万円 | 3,664百万円 | 2,318百万円 | 63.0円 | 60円 |
2023年3月期 | 85,095百万円 | 4,511百万円 | 2,968百万円 | 80.7円 | 75円 |
2024年3月期 | 88,004百万円 | 4,090百万円 | 2,733百万円 | 74.3円 | 75円 |
2025年3月期(実績) | 99,358百万円 | 5,842百万円 | 3,887百万円 | 106.2円 | 90円 |
2026年3月期(予想) | 100,500百万円 | 5,900百万円 | 3,900百万円 | 106.5円 | 70円 |
売上は順調に拡大中。2025年度は営業利益・最終利益ともに過去最高を更新。
【3】セグメント構成と収益力
セグメント | 売上構成比 | 利益構成比 |
---|---|---|
建設 | 69.7% | 83.1% |
舗装資材製造販売 | 29.4% | 15.3% |
その他 | 0.8% | 1.6% |
道路舗装事業が中核。資材販売を含め、アスファルト需要に強い。
【4】中期経営計画と戦略
- 持続的なインフラ更新需要を背景に、安定受注の確保と工事採算の改善を継続
- 舗装リサイクルや脱炭素素材などサステナ対応製品開発も強化
- KPIとして売上高1,000億円、営業利益率6%超を掲げ、2025年度時点でおおむね達成水準
【5】財務健全性と資金活用
- 自己資本比率は50.5%と良好
- ネットD/Eレシオは-2.5%で実質無借金状態
- キャッシュは77億円、営業CFはマイナスながら、財務安定性は高い
【6】配当・株主還元
- 実績配当利回りは6.16%、予想利回りでも4.79%と高水準
- 配当性向84.5%、総還元性向も84.6%と株主還元意欲は強い
- 中期的には安定配当+自己株取得による還元も実施
【7】株価水準と市場評価
- PERは13.7倍と業種平均水準、PBRは1.28倍と若干高め
- 52週相対水準は32.7と相対的には安値圏
- アナリスト評価や目標株価は未開示だが、インフラ投資期待で需給は良好
【8】外部環境の影響
- アスファルトや建材価格の変動、為替影響は限定的
- 公共事業・自治体向け発注は安定、インフラ老朽化対策が長期需要を支える
- カーボンニュートラル関連の技術革新も商機
【9】懸念点・リスク要因
- 人件費・資材高騰時の工事採算悪化
- 自治体の予算削減や案件延期
- 営業CFの不安定さが投資余力に影響する可能性
【10】まとめと投資判断
- インフラ需要に支えられた安定業績と高水準配当が魅力
- 財務は堅実で、バリュエーション面でも割高感は小さい
- ROEや利益率改善に注目し、長期保有に向くインカム型銘柄
▶ 投資アドバイス:
世紀東急工業は、高配当かつインフラ更新の安定需要に支えられた中堅バリュー株です。派手さはないが、着実な利益成長と株主還元により、長期のインカム投資先として検討価値があると言えるでしょう。
【ご注意事項】
本記事は特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。
株式投資は元本保証がなく、株価の変動等により損失が生じるリスクがあります。
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