中小型株

【割安放置の化学株】堺化学工業(4078)長期投資の可能性と懸念点

【割安放置の化学株】堺化学工業(4078)長期投資の可能性と懸念点

【割安放置の化学株】堺化学工業(4078)長期投資の可能性と懸念点

この記事でわかること

  • 堺化学の最新業績と財務指標
  • 中期経営計画の重点施策と進捗
  • PBRが0.5倍と低迷する背景
  • 長期投資としての評価軸

【1】企業概要と株価水準

堺化学工業は、酸化チタン、電子材料、医療向け造影剤などを手がける中堅化学メーカーで、医薬・エレクトロニクス・工業材料に広く関与しています。電子材料や酸化チタンなどの高付加価値品を強化しながら、中長期での資本効率改善を目指す構造改革を進めています。

項目内容
銘柄名堺化学工業
証券コード4078
市場東証プライム
株価(2025年6月13日)2,643円
予想PER7.8倍
PBR0.55倍
予想配当利回り4.92%
自己資本比率63.5%

【2】長期業績推移と進捗

決算期売上高(百万円)営業益経常益最終益EPS(円)配当(円)
2022/0380,1357,4948,8406,747407.170
2023/0383,8614,4074,8542,344144.975
2024/0382,1052,9423,066-7,092-437.770
2025/0384,4096,0936,2795,013309.2135
2026/03 予想86,0006,5006,5005,500339.1130

【3】セグメント構成(2025年3月期)

売上構成

セグメント売上高(百万円)構成比
酸化チタン・亜鉛製品13,47015.5%
樹脂添加剤13,08115.0%
その他10,29711.8%

セグメント利益

セグメント利益(百万円)構成比
電子材料1,49317.6%
酸化チタン・亜鉛製品1,47917.5%
樹脂添加剤1,39316.5%

【4】中期経営計画と進捗

  • 2030年に向け、電子材料・ライフサイエンスの比率拡大を推進
  • 生産性向上・資産効率改善を重視し、ROE8%以上を目標
  • 2025年度時点でROEは6.6%、一部改革が進展

【5】外部環境の影響とリスク

  • 為替リスク:海外売上比率約18.5%。円高で採算悪化リスクあり
  • 原料価格:酸化チタンは原料価格や需給バランスの影響大
  • 景気敏感:エレクトロニクス・自動車向け需要変動の影響を受けやすい

【6】PBR低迷の背景と懸念点

  • ROEが低位安定(5〜6%台):資本効率が低くPBRを押し下げ
  • 高収益事業の成長性に不透明感
  • 政策保有株の整理進まず:PBR改善の遅れ要因

【7】配当・株主還元

  • 配当性向: 43.7%
  • 実績配当利回り: 5.11%
  • 総還元性向: 93.5%(自社株買い含む)
  • 現金等: 161億円と潤沢な手元資金

【8】まとめと投資判断

  • PBR0.55倍・配当利回り5%超でバリュー妙味あり
  • ROE改善と非中核資産の整理進展が鍵
  • 安定配当・自己資本厚めで下値限定的な銘柄

▶ 投資アドバイス:
堺化学工業は、高配当・割安バリュー株として中長期保有に向いています。株主還元姿勢も強く、ROE改善と事業ポートフォリオ改革が進めば、株価再評価の可能性があります。

【ご注意事項】

本記事は特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。
株式投資は元本保証がなく、株価の変動等により損失が生じるリスクがあります。
投資判断は必ずご自身の責任において行ってください。
また、記載内容は作成時点の情報に基づいており、将来を保証するものではありません。
最新の情報や詳細は、各企業の公式IR資料などをご確認ください。