✅【長期株式投資分析:飯田グループホールディングス(3291)】
🔰 はじめに
飯田グループホールディングス(3291)は、戸建分譲住宅で国内トップクラスのシェアを誇る企業です。本記事では、長期投資の観点から同社の財務・業績・株主還元・中期経営計画の進捗などを総合的に分析します。
📌 この記事でわかること
- 飯田グループの財務・収益性・配当水準
- 中期経営計画の未達状況とその背景
- 今後の営業利益率改善の可能性と投資判断
【1】銘柄基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
銘柄名 | 飯田グループホールディングス |
証券コード | 3291 |
市場区分 | 東証プライム |
株価(2025年6月13日) | 1,980円 |
予想PER | 10.7倍 |
PBR | 0.56倍 |
予想配当利回り | 4.55% |
時価総額 | 約5,552億円 |
【2】最近の業績推移(通期)
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | EPS | 配当金 |
---|---|---|---|---|---|
2025/03 | 1兆4,596億円 | 804億円 | 507億円 | 183.5円 | 90円 |
2026/03 予想 | 1兆5,780億円 | 853億円 | 510億円 | 184.6円 | 90円 |
増益要因:戸建・請負・その他事業が安定。粗利率改善。
減速懸念:販売棟数の減少とコスト高騰。
【3】株価・チャート分析(任意)
- チャート:1か月〜6か月で下落傾向、調整局面
- PER/PBRは過去5年平均より大幅に割安
- PER相対水準:38.0(過去5年)
- PBR相対水準:4.1(過去5年)
【4】配当政策と株主還元
指標 | 内容 |
---|---|
配当方針 | 年間90円、配当性向49.7%(安定配当重視) |
自社株買い | 実施中だが限定的(期末に自己株式数約404万株) |
総還元性向 | 約67.5%、高水準であるが安定性にやや課題あり |
【5】中期経営計画(第三次中計)
- 期間:2022年3月期~2024年3月期
- 目標値:売上:1.72兆円、営業利益:1,650~1,720億円(営業利益率10%)
- 注力戦略:戸建事業の競争力強化、地方拡大、リフォーム・収益不動産強化
- 成長の柱:海外展開、70年住宅の供給、サステナブル住宅技術(IGパーフェクトエコハウス)
【6】中計KPIと現状の進捗(2025年3月期時点)
KPI項目 | 目標値 | 実績値 | 進捗率・ギャップ |
---|---|---|---|
売上高 | 1兆7,200億円 | 1兆4,596億円 | 約85%(未達) |
営業利益 | 1,650億円〜 | 804億円 | 約50%(大幅未達) |
営業利益率 | 10.0% | 5.5% | 半分程度 |
EPS | 約250円以上(想定) | 183.5円 | 約73% |
📊 営業利益率の推移と見通し
過去数年間のデータから、営業利益率は一時的に悪化しましたが、直近では回復傾向にあります。
【通期】
年度 | 売上高 | 営業利益 | 営業利益率 |
---|---|---|---|
2022/03 | 13,870億 | 1,533億 | 11.1% |
2023/03 | 14,397億 | 1,023億 | 7.1% |
2024/03 | 14,392億 | 591億 | 4.1% |
2025/03 | 14,596億 | 804億 | 5.5% |
【四半期】
期間 | 営業利益率 |
---|---|
2024.01-03 | 2.4% |
2024.07-09 | 6.5% |
2025.01-03 | 5.0% |
今後は5〜7%のレンジで安定すれば、十分に投資妙味があると評価できます。
🔎 総合評価と今後の注目点
- 営業利益率が安定的に維持できるか
- 新たな中計の開示と成長戦略
- 配当の維持と利回り水準の推移
✅ まとめと投資アドバイス
飯田グループは、高配当・低PBRの割安銘柄として注目されます。利益率の回復と中計の再構築を見守りながら、長期保有を検討する余地がある銘柄です。
- 割安+高配当で下値は堅い
- 住宅市況や建材コストの影響に注意
- 次期中計での経営目標の明確化が鍵
【ご注意事項】
本記事は特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。
株式投資は元本保証がなく、株価の変動等により損失が生じるリスクがあります。
投資判断は必ずご自身の責任において行ってください。
また、記載内容は作成時点の情報に基づいており、将来を保証するものではありません。
最新の情報や詳細は、各企業の公式IR資料などをご確認ください。